CASE.06
次世代リーダー育成プログラム
~ 大手メーカーの子会社での導入事例 ~

事例企業の基本情報
- 業種:
- 製造業
- 規模:
- 400名
- 対象者:
- 管理職候補者(係長クラス)
大手メーカーの開発・設計・製造子会社
Background
背景
伴走サポート前に人事部長からお聞きしていたこと
- 親会社社員の世代交代や人事制度変更により、子会社(=当社)への出向管理職が激減する事態に。
当社自力で、管理職(候補者)を育成・ストックする必要性が高まった - 子会社2社が統合し新しい会社として再スタートが、バラバラ感は否めない。
統合会社としてのカルチャーを創っていきたい - エンジニア集団ゆえか、人への関心が低く、管理・監督職といえども、技術のエキスパートとして
自らの手を動かす傾向が強い。他人と組織を動かして物事を成し遂げる力を高めたい
ここ数年の間に講じた施策
- 統合前から、親会社主催のマネジメント研修に数名参加させていた(自社独自の教育はテクニカルスキルのみ)
- 統合後、研修受け放題の定額サービスを導入して、学ぶ環境を整備した
- 人事制度を刷新。管理・監督職層の評価に、業績結果だけでなく、役割行動評価を導入した
(例:イノベーション促進、後継者育成、部門間連携に関する項目)
それでもなお解消されない課題(浮き彫りになった課題)
- 研修に参加しても、「今の業務にすぐ役立つかどうか」という関心事で受講してしまうので
「あまり役に立たない」という受け止め方をしてしまい、期待する学習効果が得られない - 定額サービスの受講率は当初期待値の20%未満。もともと問題意識の高い人は多数受講するが
問題意識の低い人は全く学ばない - 上長が「実務の中で部下の成長に関心を持って関わる」ことができていない。
OJTという名の放置状態「O=お前、J=自分で、T=適当に」が続いている - 縦割り意識が岩盤の如く強固。いまだに「旧〇社では・・・。旧△社では・・・」という言葉が飛び交っている

Point
課題解決の切り口
(効果を上げる仕掛けの工夫)
1.「次世代リーダー(管理職候補者)の育成」と「経営課題の解決」、
一石二鳥で取り組むプログラムとする
- 経営課題の解決に挑戦する過程で、次世代リーダーを育成する。
経営課題解決はクロスファンクショナルチームで取り組む。
2.研修と人事評価制度を連動させたプログラムとする。
- 研修で習得するマネジメント行動と役割行動評価項目を関連付けることで、受講者の本気度が上がるし、
上長の関与度も上がる(「マネジメント行動チェックリスト」として活用)。

Result
プログラム実施効果&今後の展望
- 受講者の声(抜粋)
- 次世代リーダー同志の連帯を築けた。プログラムを通して相互理解が深まったし、
旧〇社・旧△社の区別なく、会社の未来を創っていく同志という意識が高まった。 - 「自チームの開発案件回り」という視座に止まらず、「全社の組織課題」へ視座を上げざるを
得なかったので初めは戸惑ったが、次第に見える世界が拡がってきた感覚があった。 - 会議・ミーティングは普段のマネジメントの縮図。会議・ミーティングの運営を見直すことで
マネジメント改善につなげられることを経験できた。 - 自分がやってしまうのではなく、周囲を動かし成果を上げるたいへんさと面白さを感じ取ることができた。
「管理職になるのも悪くない」と思えるようになった。
- 次世代リーダー同志の連帯を築けた。プログラムを通して相互理解が深まったし、
- 人事部長の声
- プログラム序盤は「どうなることやら?」と心配していたが、終わってみると、次世代リーダーらしい言動が見られるようになった。
当社には現場の小集団活動で改善に取り組む伝統がある(旧〇社・旧△社とも)。
「クロスファンクショナルチームで経営課題に取り組む」というプログラムの仕掛けが、当社の伝統(ルーチン)にフィットしたものだったのが功を奏したのだと思う - このプログラムは毎年実施している。プログラムの途中で前年度の受講者(卒業生)に「その後の活動状況」を発表+Q&Aをしてもらっている。これがとても有意義な場になっている。
卒業生が1年前とは見違えるような成長を実感できるし、受講者も先輩(卒業生)に刺激されて、その後のチーム活動に拍車がかかる - 今後はタレントマネジメントシステムを導入して、人材ストックの見える化を充実させたい
- プログラム序盤は「どうなることやら?」と心配していたが、終わってみると、次世代リーダーらしい言動が見られるようになった。
- 経営陣の声
- プログラム実施を通じて管理職候補者をプールできるので、後継者育成計画を立てやすくなった。
まだまだ人材が揃っているとは言い難いが、このプログラムを続けることでプール人材を厚くしていきたい - マネジメントの共通言語が持てたので、コミュニケーション齟齬が減り、判断のブレも少なくなったように思う。
マネジメントに〇社流も△社流もなく、このプログラムで学んだことを当社流のマネジメントスタンダードにしていきたい。 - 「マネジメント行動チェックリスト」をモノサシに、上長は日頃リーダーを指導すれば良い。
上長はこれを新たなルーチンにして、人材(後継管理職)育成責任を果たしてほしい。
- プログラム実施を通じて管理職候補者をプールできるので、後継者育成計画を立てやすくなった。
