戦略実行力とは何か?①
~的確なフィードバックが出来ていることが戦略実行力のあることの証し~
戦略実行力があるということは実践後の戦略決定責任者へのフィードバックを的確に行うことが出来るということです。そのことが変化に適応した戦略の進化を促進し、目的の達成を確実に呼び寄せることに繋がります。
- 戦略は仮説である
- 今の時代、フィードバックを的確に行うことが戦略実行力そのものである
- 戦略へのフィードバックを的確に実行するためのポイント
目次
戦略は仮説である
変化が常態化している現在、戦略立案時と実行時でその状況に変化があることは十分に予測できます。かといって「戦略はあくまでも仮説だ」などと戦略の実行をスタートする時に声高に叫んでは、「だったら、真剣に実行しても仕方がないじゃないか」というムードを組織に作り、のっけから戦略の実行に水を差すようなものです。ですから、「戦略は仮説である」の真の意味は、
- 戦略の目的は実行前に合意している
- 目的達成の「やり方」は実行前に決めている
- そして目的達成のために決めた「やり方」は必ず実行する
- しかし、その「やり方」を実行したが、目的達成に結びつかないことが判明したら、迷わず「やり方」を変え、目的を達成できるようにする
ということであり、決して「今の時代、戦略なんて決めても意味はないよ」という、悟り文句のことを意味しているのではありません。
では、「戦略は仮説である」と言われる時代、戦略を実行し、目的を達成するために最も大切なことは何でしょうか?
今の時代、フィードバックを的確に行うことが戦略実行力そのものである
前述したように、今の時代、「戦略は仮説である」とすると、戦略を決定した後、その実行の段階における現場からのフィードバックが的確にあってこそ、初めて戦略が目的達成に向けて進化するわけで、この実行者からのフィードバックが無ければ戦略は単なる「絵に描いた餅」となり、その目的も達成できません。
つまり、フィードバックが無いことにより、「増資のチャンスを逃す」あるいは「資金や人を引きあげるタイミングが遅れる」などの事態を引き起こしてしまうのです。
まさに、今のような時代、「フィードバックを戦略の実行者が的確に行うことそのものが戦略実行力である」と言えます。しいてはそれが、戦略の目的達成に向けて、最も大切な行動となっているのです。
では、戦略の「フィードバック」を的確に行える組織とそうでない組織とでは何が違うのでしょうか?ぜひ以下を参考にしてご自身の所属する組織の戦略実行力の有無を確認していただきたいと思います。
戦略へのフィードバックを的確に実行するためのポイント
現場における「戦略実行」の「今の時代ならではの意味」を再認識させる
「上が立てた戦略を言われた通り実行するのが現場だ」という思い込みを取り除き、「戦略の目的をよく理解し、その達成のために、もっと良いやり方はないか?を常に模索しながら実行するのが現場だ」と認識させることが重要です。
そのためにも「戦略の目的」である「作りたい理想像」の共有が大切
「戦略を実行しないと大変なことになる」という危機感の共有も大切ですが、それ以上に、個にとって、そして組織にとっての「理想像」の共有による、実行への高い意欲がないと、フィードバックが行われず、その質も良くなりません。
フィードバックを受ける側の姿勢もひじょうに重要
「フィードバックなど上は期待していない」と実行者が思っていては、実行者からの的確なフィードバックなど期待できません。
- フィードバックへのフィードバックや評価が無い
- フィードバックしたけど聞いてもらっただけで改善が実際に成されない
- フィードバックの「手短さ」ばかりを上司が要求している
など、このような日頃のフィードバックを受ける側の態度や姿勢を改め、むしろ上記3つとは正反対の態度や姿勢を示す必要があります。